麻衣子の記録 連載第29回

6月27日(土)
15:00 病室に行くと、麻衣子は体を拭いてもらっていた。付き添いをしてくれていた麻美と美帆を家に帰した。朝は、薬(夜の2分の1量)をもらわなかったそうだ。
15:25 麻衣子は目を開けていたが、眠っているようだった。
15:40 乳酸菌飲料を飲ませる。
16:00 「ぼこうのうた」、「二人は80歳」などを歌ってやると、右手を自分で動かしている。表情がいい。
16:20 看護師さんに歯磨きをしてもらう。
16:40 顔を横に向けて、かなり苦しそうな発作があった。その後も、苦しい全身発作が続く。表情がゆがむ。鼻息も荒くなる。そして、泣き出す。それが、かなり長く続いた。落ち着くと、目をつぶった。疲れたのだろうか。
 
 
先月の15日以来、大学病院へ通う日々は、今日で44日目になりました。6月1日からは24時間体制の付き添いを、主に私と次女が交替で行っていますが、鳥取に住んでいる長女が週末に、埼玉からは家内の母親も時々看病に来てくれます。私は夜間の付き添いで、午後6時頃から翌朝10時頃まで、次女は昼間の付き添いです。
 
 
17:50 左腕が伸展し、右腕が屈曲する、ギターを弾いているような姿勢の発作がある。口を開き、視線は天井に。
18:00 左腕と左肩がピクピク、目がピクピクする不随意運動。
19:00 乳酸菌飲料で薬を飲ませる。その直後に、大きな発作がある。首を後ろにそらせて、右手に力が入る。しゃっくりもとまらない。
19:40 喉を鳴らし始める。薬が効いてきたのか? 
19:50 眠り始めた。
 
6月28日(日)
5:15 麻衣子はよく寝ている。昨夜は発作もなく、よく眠れたようだ。私も、大分眠った。
5:45 左腕が動く。発作かな? 
6:10 検温、血圧測定。まだ眠そうな様子。
6:40 乳酸菌飲料を少量飲ませる。
6:55 発作が始まる。両腕が動く。「うー」と声を出す。
7:20 点滴の管が閉塞しないようにと動かしたとき、麻衣子の体に触れた。それが刺激で、びっくり反射を起こした。
8:45 びっくり反射。
8:45 両腕と目をピクピクさせる不随意運動が長く続く。朝の薬をどうしようかと悩んだ。
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19:00 薬を飲ませようとして、ベッドを起こしたら、急に苦しみ出した。痰が絡んだらしい。看護師さんに来てもらい、吸引してもらった。今まで、吸引はほとんどしたことはなかった。落ち着いたので、薬を飲ませた。その後、大きな発作もあった。
19:20 落ち着いてきた。
20:00 すやすやと寝入った。発作の時と大違い、穏やかな表情になった。
20:30 おむつ交換、体位変換
21:45 いびきをかいて、よく寝ている。
23:30 体位変換
 
 
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 麻美の話では、今日の午前中に義母と孝史さんが、病室に来たという。麻美に会いに来たのと、M中央病院を見に来たのだという。
「病院の周りには何もないね」と言っていたそうだ。