麻衣子の記録 連載第62回

8月25日(月)
9:50 麻衣子の病室へ。表情に元気がない。薬と乳酸菌飲料を飲ませる。喉をきれいにしていたら、ネバネバの固まった塊がたくさんあった。これでは薬も上手に飲み込めないはずだ。顔をきれいにしたら、表情が良くなった。うれしい。 
10:15 左足が動く。「ハーハー」言っている。
10:28 検温37.0度。看護師さんによる口腔ケア。
11:10 眠っている。義母が来る。
12:00 喉が苦しそう。喉をきれいにすると治まる。そろそろ、頻繁な吸引が必要な時期か?
12:20 右足収縮発作。
13:00 検温37.1度、体位変換
13:45 乳酸菌飲料を飲ませる。
15:00 両足収縮。
15:20 口の中のネバネバをとる(左頬の側)
15:40 目がピクピクする不随意運動(長い)。喉のネバネバをとる。乳酸菌飲料を飲ませる。
16:10 義母が帰る。
16:50 目がピクピクする不随意運動。だんだん首を反対側へ。
17:00 大学病院のT先生がくる。「痙攣はどうですか? 熱はどうですか?」と聞かれた。点滴が太腿からになりましたと言うと、「栄養を入れてるのね」と言った。
17:15 薬と乳酸菌飲料を飲ませる。喉のネバネバをとる。喉を鳴らしている。
17:25 検温37.8度。額はそれほど熱くはないのだが・・・。
17:40 右足収縮。足を押さえるとすぐ治まる。
18:07 笑っているような発作。
18:23 喉のネバネバをとる。薬が効いて、眠くなってきたようだ。
18:50 喉のネバネバをとる。
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 今日は表情に元気があったような気がする。点滴の栄養が良くなったことも関係があるのだろうか。 
 麻衣子にはできるだけ長生きしてもらって、いつか、麻衣子を天国に送り届けたら、私は旅に出よう。奥の細道の旅に。
 
8月26日(水)
9:50 麻衣子の病室へ。乳酸菌飲料を飲ませる。口の中をきれいに、顔をきれいにする。薬と乳酸菌飲料を飲ませる。
10:53 足が少し動くこともあるが、よく眠っている。
10:55 看護師さんによる口腔ケア。顔と口の中をきれいにしてもらう。
11:10 目を開けた。でも。また眠った。いい寝顔だ。
12:20 目を覚ました。
13:00 右足収縮。
13:50 お風呂に行った。
14:20 お風呂から帰ってきて、顔に生気が戻ってきたような感じもする。でも、やはり元気はない。乳酸菌飲料を飲ませる。喉のネバネバをとる。
 腕を組んだ姿勢で、長くいたので、腋や背中にあせもができているという。掛け物(タオルケット)などで調整する必要があるとのことだった。
14:50 口を開く発作。喉のネバネバをとって、乳酸菌飲料を飲ませる。この発作の時に乳酸菌飲料は良くないかな?
16:00 発作がなく落ち着いている。表情も良い。
17:28 麻衣子は、まだまだ大丈夫だと思う。 
18:10 薬を飲ませる。薬を飲ませるのが厳しくなってきたようにも思う。口から少し溢れたので、溢れた分量を推測して、予備の薬で補った。これはうまく飲ませることができた。
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 麻衣子はなんという、大変な病気にかかってしまったのだろうと思う。目を開けていてくれるが・・・・。かなり、厳しくなってきた気がする。