麻衣子の記録 連載第110回

12月2日(水)
 麻衣子の勤務する聾学校の創立50周年記念式典の日だった。
2:49 血圧 78-46
5:20 血圧 87-49
6:00 昏睡状態のように、鼻息を立てて眠っている。
8:00 義母と交替して、私はいったんアパートに戻り、仮眠する。
 ・・・・・・・・・・・・・・・
 
16:30 麻衣子の病室に戻る。
16:45 血圧 83-53。熱があるので、氷枕になった。
17:30 義母は近くの旅館へ行った。
19:15 麻衣子は、しっかりと起きている。目をしっかり開けていて、まばたきも普通だ。まだまだ、元気な気がする。心電図の波形が変わってきているが、どこがどう悪くなっているのか、素人の私にはわかりようがない。
 夜、麻衣子は声をよく出した。元気だ。私はそのたびに起こされた。すぐに亡くなってしまうとは思えない。表情も良い。
 でも、心電図の波形は乱れまくっている。本当は厳しいのかもしれない。
 
12月3日(木)
5:35 心臓の波形が乱れている。心配だ。
 夜、美帆も病院に来る。私、美帆、義母の3人で麻衣子を見守る。みんなの疲労が目立った。
21:30 呼吸の状態が良くない。今夜は危なそうだ。