奥の細道をたどる(その6)

芭蕉曾良は、千住をスタートし、粕壁(初日)と間々田(二日目)に宿泊した後、最初の歌枕の地、「室の八島」を訪れた。
歌枕「室の八島」は、栃木市社町の、ごくありふれた神社にあるが、この大神神社は、芭蕉が立ち寄ったことで一躍有名になった。
芭蕉は、この歌枕の地が想像していたのとよほど違っていたのか、「おくのほそ道」本文では、同行者・曾良が語る「室の八島」のいわれだけを書き、感想は述べていない。
ここで、詠んだ句もあるが、本文には一句も載せていない。
日光で詠んだあの有名な句「あらたうと 青葉若葉の 日の光」は、この地で詠んだ「あなたふと 木の下暗も 日の光」が元になっているという。