麻衣子の記録 写真編7

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 不随意運動が激しくなった頃、麻衣子のベッドの柵には、クッション材が巻かれた。

 ベッドの柵に体をぶつけても、怪我をしないようにするためだった。

 クッション材を巻く作業は、麻衣子がベッドに横たわっている状態で、数人の看護師によって行われた。

 廊下で待っている私の耳に、「痛いー」という麻衣子の大きな声が聞こえてきた。

 私は、麻衣子が可哀想でたまらなかった。

 でも、看護師たちは黙々と作業を続けていた。