麻衣子の記録 連載第92回

10月25日(日)
9:25 麻衣子の病室へ。昨夜は37.7度だったそうだ。
9:45 薬を飲ませる。麻衣子はうなっている。
10:35 検温38.3度。看護師さんによる口腔ケア。熱が38度台で続いている。ずっと、「あーん、あーん」とうなっている。
14:25 おむつ交換。
14:40 検温38.6度
15:00 美帆が来たので、私はアパートへ帰る。
 
10月26日(月)
9:40 麻衣子の病室へ。朝の検温38.2度。薬を飲ませる。綿棒で歯をきれいにする。
10:00 オムロン38.4度 
10:10 麻衣子はうなっている。
11:20 オムロン38.0度。熱が下がってきたためか、麻衣子は落ち着いてきた。
11:50 オムロン37.9度
12:35 オムロン37.9度
13:05 検温38.0度
13:10 オムロン右腋37.7度 左腋37.8度
14:00 オムロン37.4度
14:30 オムロン37.5度
15:05 オムロン37.5度
15:48 オムロン37.3度
16:02 テルモ37.02度
16:04 オムロン37.8度
16:05 オムロン右腋37.5度 左腋37.6度
17:10 検温37.3度。薬を飲ませる。
17:18 オムロン37.6度
17:30 眠り始めた。
 
 ・・・・・・・・・
 病室で過ごす一日は長い。でも、夕方になって、薬を飲ませ、やがて、麻衣子が寝入ったのを確認し、窓のブラインドを閉じ、明かりを少し落として病室を後にするとき、私は幸福だった。麻衣子を守っているという充実感があった。美帆と別れて、なお一層、そうした気分は強まった。
 
10月27日(火)
9:35 麻衣子の病室へ。
10:05 検温38.7度
 麻衣子を義母にお願いして、私は、車のシールドビームの修理に行って来た。昨夜、病院を出るとき、通りかかった人に、片方のライトが付いていないと言われたので、早めに修理しようと思ったからだった。
16:35 大学病院のT先生が来る。
17:10 検温38.3度
18:23 オムロン38.5度
 
 ・・・・・・・・・
 病院からの帰り、ホームセンターに寄って、炊飯器としゃもじ、はたき、カラーボックスを買った。