麻衣子の記録 連載第93回

10月28日(水)
9:35 麻衣子の病室へ。
9:50 オムロン38.8度 
11:00 検温38.1度
11:37 オムロン38.6度
12:07 オムロン38.1度
12:25 オムロン38.3度
12:30 オムロン37.7度
13:10 検温37.3度。麻衣子は落ち着いている。水を少量飲ませる。
13:20 オムロン37.7度
14:10 オムロン37.6度
14:45 落ち着いて、すやすや眠っている。
15:00 テルモ36.81度
15:25 テルモ36.82度
16:00 テルモ36.95度
16:30 おしっこの出が悪いので、再び管が入る。おしっこが汚れているという。そのための炎症で、熱が出ているのかもしれないという。
16:35 オムロン37.4度。麻衣子は落ち着いている。
16:50 検温37.4度 
17:00 薬を飲ませる。水も飲ませる。歯をきれいにする。
 ・・・・・・・・・・・
 N生命の担当者から、私に電話があった。担当者が変わると言うことだった。私と麻衣子だけが転居したので、これは変だと思ったのだろう。彼らはプロだ、そうしたことには敏感だ。たぶん、美帆とやりとりしていた担当者は、降ろされたのだろう。保険金の請求手続きができるのは、指定代理請求人の私だけなのに、入院給付金について、娘の美帆とやりとりしていたのだから。
 
10月29日(木)
9:40 麻衣子の病室へ。
10:45 検温38.2度
10:47 オムロン38.5度
11:15 薬を飲ませる。歯をきれいにする。
13:10 検温38.1度
14:00 看護師さんからの指摘で、主治医による診察があった。褥瘡ができているということだった。診察の後、お尻に何か貼ってもらった。
14:29 オムロン38.2度
14:55 落ち着いている。
15:25 オムロン37.9度
16:10 オムロン38.1度
17:00 オムロン38.3度
17:15 検温37.8度
17:55 オムロン37.9度
 ・・・・・・・・・・
 麻衣子は、発作がなくなったかと思ったら、今度は発熱に苦しめられている。本当にかわいそうだ。

麻衣子の記録 連載第92回

10月25日(日)
9:25 麻衣子の病室へ。昨夜は37.7度だったそうだ。
9:45 薬を飲ませる。麻衣子はうなっている。
10:35 検温38.3度。看護師さんによる口腔ケア。熱が38度台で続いている。ずっと、「あーん、あーん」とうなっている。
14:25 おむつ交換。
14:40 検温38.6度
15:00 美帆が来たので、私はアパートへ帰る。
 
10月26日(月)
9:40 麻衣子の病室へ。朝の検温38.2度。薬を飲ませる。綿棒で歯をきれいにする。
10:00 オムロン38.4度 
10:10 麻衣子はうなっている。
11:20 オムロン38.0度。熱が下がってきたためか、麻衣子は落ち着いてきた。
11:50 オムロン37.9度
12:35 オムロン37.9度
13:05 検温38.0度
13:10 オムロン右腋37.7度 左腋37.8度
14:00 オムロン37.4度
14:30 オムロン37.5度
15:05 オムロン37.5度
15:48 オムロン37.3度
16:02 テルモ37.02度
16:04 オムロン37.8度
16:05 オムロン右腋37.5度 左腋37.6度
17:10 検温37.3度。薬を飲ませる。
17:18 オムロン37.6度
17:30 眠り始めた。
 
 ・・・・・・・・・
 病室で過ごす一日は長い。でも、夕方になって、薬を飲ませ、やがて、麻衣子が寝入ったのを確認し、窓のブラインドを閉じ、明かりを少し落として病室を後にするとき、私は幸福だった。麻衣子を守っているという充実感があった。美帆と別れて、なお一層、そうした気分は強まった。
 
10月27日(火)
9:35 麻衣子の病室へ。
10:05 検温38.7度
 麻衣子を義母にお願いして、私は、車のシールドビームの修理に行って来た。昨夜、病院を出るとき、通りかかった人に、片方のライトが付いていないと言われたので、早めに修理しようと思ったからだった。
16:35 大学病院のT先生が来る。
17:10 検温38.3度
18:23 オムロン38.5度
 
 ・・・・・・・・・
 病院からの帰り、ホームセンターに寄って、炊飯器としゃもじ、はたき、カラーボックスを買った。

麻衣子の記録 連載第91回

10月23日(金)
9:35 麻衣子の病室へ。
9:45 オムロン38.9度  
9:49 オムロン38.9度
12:06 オムロン39.1度 
12:53 オムロン38.8度 
13:00 検温38.0度。麻衣子はうなっている。
13:42 オムロン39.0度  
14:34 オムロン38.6度。麻衣子の唇が赤みをおびて、生き生きとしてきた。
15:30 落ち着いてきた。
15:36 オムロン38.6度 
16:50 検温38.4度
16:55 薬を飲ませる。
17:26 オムロン38.3度 
 
 私は、今日、麻衣子の学校へ住所変更を届け出た。履歴事項追加変更届(願)、公立学校共済組合員住所変更届、財形貯蓄の住所変更届などの書類を事務担当者に返送した。
 
前略 大変お世話になっております。
このような時期に、転居でご迷惑をおかけします。住居手当は、停止でお願いします。新しい住居は、私(夫)が契約者で、世帯主になります。財産形成貯蓄の用紙に捺印したのは、新しい印鑑です。契約時の印鑑は紛失しました。親睦会費はそのままで結構です。いろいろと、お手数かけますがよろしくお願いします。病室の家内につきっきりで、そちらに出向くことができません。お許しください。なお、書類に不備があったらお知らせください。
 
 夫婦は同居の義務があるのだから、私が引っ越す場合は麻衣子と一緒なのは当然のことだ。私は、アパートの玄関の表札カードに、住所と私と麻衣子の名前を記入した。麻衣子がこのアパートに帰って来ることはあり得ないだろう。でも、入院している麻衣子が、もし、帰ってくるのなら、それは、ここであって、決して、今、美帆の住んでいる団地ではない。
 やっと、この日、私は美帆から麻衣子を完全に取り返したのだった。
 
10月24日(土)
9:50 麻衣子の病室へ。
9:54 オムロン37.6度
10:30 検温37.0度、血圧正常。
10:40 薬を飲ませる。おむつ交換。お通じがないので座薬。熱が下がって落ち着いている。
12:22 オムロン36.9度
13:32 オムロン36.7度
14:35 検温37.4度。「うーん」と声を出している。また、体温が上がり始めるのか?
14:50 オムロン37.3度  
16:50 オムロン37.8度 
17:35 薬を飲ませる。
 ・・・・・・・・・
 私の看護生活のホームベースが、一人暮らしのアパートに移った。美帆を気にしないで、麻衣子の看護に没頭できるようになった。私の心は自由になり、グンと安定した。これは、本当に良いことだ。

麻衣子の記録 連載第90回

10月21日(水)
9:40 麻衣子の病室へ。朝から、38.9度の高熱でうなっている。ひたすら、小さなタオルで額を冷やしてやる。
13:20 検温37.6度
13:47 オムロン38.8度 
14:49 オムロン38.3度 
15:30 オムロン38.2度 
16:25 オムロン38.1度 
16:55 テルモ37.68度
17:10 検温37.8度
17:50 薬を飲ませる。
 
10月22日(木)
9:35 麻衣子の病室へ。熱は微熱で、落ち着いている。
10:35 検温37.5度。看護師さんによる口腔ケア。
13:15 検温37.5度。麻衣子は落ち着いている。
14:05 診察があった。
 ・・・・・・・・・
 私が療育病棟に居るとき、ほとんど、回診を見ることがない。だから、医師による回診があると、とても心配になる。
 
私から麻美へ
さっき、数人の医師による診察がありました。いつのまにか、個室や特別室の患者が変わっています。ママが、本当に遠いところへ行ってしまうのも、まもなくのことかもしれません。
 
15:45 36.5度。氷枕をとる。
15:50 喉の大きなネバネバの塊を取ってあげる。
16:55 すやすやと寝ている。
17:05 検温36.9度
17:15 薬を飲ませる。

麻衣子の記録 写真編32

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 麻衣子の両手(特に右手)は拘縮し、丸まってしまって、開くことはできなくなっている。現在では、看護師さんが、タオルケットの上に出さないので、私は、見ないですんでいる。それは、せめてもの救いかもしれない。(2015年10月19日)

麻衣子の記録 連載第89回

10月19日(月)
10:10 麻衣子の病室へ。
10:17 オムロン38.3度 
10:20 検温37.8度 
11:33 オムロン38.3度  
12:01 オムロン38.1度 
13:15 検温38.4度
13:17 オムロン38.0度 
13:35 口の中をきれいにしてあげる。
14:15 歯をきれいにしてあげて、乳酸菌飲料を飲ませる。
14:31 オムロン38.3度 
16:33 オムロン38.3度 
  ・・・・・・・・・・
 麻衣子の両手(特に右手)は拘縮し、丸まってしまって、開くことはできなくなっている。現在では、看護師さんが、タオルケットの上に出さないので、私は、見ないですんでいる。それは、せめてもの救いかもしれない。
 買い物リスト・・しゃもじ、海苔、明太子、コーラ、手洗い洗剤、氷を作る器、写真用紙、インク、両面テープ、スタイロフォーム
 海苔、明太子はお昼のおにぎりの材料。
 写真用紙、インク、両面テープ、スタイロフォームは麻衣子の写真を大きくして飾るための材料。
 着々とアパートの部屋の整備を進めている。
 
10月20日(火)
9:40 麻衣子の病室へ。相変わらずの発熱。氷枕とタオルで冷やす。
 お昼に、義母に、麻衣子を頼んで、私は窓口センターへ行き、住民票の異動を行った。15日付で、私と麻衣子はみどりのの住民になった。松代の美帆とは世帯分離した。
 午後4時ちょっと前、大学病院のT先生が病室に来た。先生は、「こんなに長くなるとは思っていなかった。良いことなのかどうか」と言った。でも、私は、どんな姿になっても、生きていることは素晴らしいのだと思っている。
16:00 義母が帰る。次は来週の月曜日か火曜日に来るという。結局、麻衣子の看護は、私が頑張らねばならないと思う。新しいアパートに移ったし、がんばるぞ!と、改めて思った。
16:50 薬を飲ませる。

麻衣子の記録 連載第88回

10月16日(金)
 朝、歯科医院に寄ってから病院へ。
11:00 麻衣子の病室へ。37度台の熱のためか、落ち着いている。頭の下には冷やし枕。
11:08 オムロン37.2度 
15:10 口を開けてくれたので、口の中をきれいにすることができた。
16:39 オムロン37.3度
17:12 検温37.2度
17:15 オムロン37.1度
17:30 薬を飲ませる。
 ・・・・・・・・・・
 熱が低めで、とても穏やかな一日であった。麻衣子は少し声を出してはいた。
 どういうわけか、麻衣子のJ銀行のキャッシュカードが使えなくなった。理由はわからない。いつものパスワードを受け付けなくなった。すでに、残高はそれほどではないのだが、毎月の麻衣子の給与はこの口座に振り込まれている。
 これで、私の全収入は、わずかな年金だけになってしまうが、貯金があるから、困りはしない。でも、これから、アパートの家賃と生活費、麻衣子の入院費用とで、毎月、大きな赤字が続くだろう。
 
10月17日(土)
 この日は、義母と麻美に麻衣子を頼んで、私は、すぐにアパートに戻り、団地とアパートを往復して、残りの引っ越し荷物を運んだ。
 
10月18日(日)
9:35 麻衣子の病室へ。オムロン38.5度 
9:40 オムロン38.5度 
10:48 オムロン38.8度 
11:00 検温38.1度。オムロン38.8度
11:42 オムロン38.6度 
13:17 オムロン39.1度 
13:56 オムロン38.5度 
14:18 オムロン39.2度 
14:30 熱が高いので、腋の下にも冷やし枕。
16:57 オムロン38.5度 
17:10 検温で、まだ体温は38度、小さな声だが、麻衣子は声を出している。
17:30 口の中のネバネバをとる。
 
 ・・・・・・・・・・・
 このところ、私自身が体調を崩した。引っ越し作業で疲労がたまったためだろうか、ずっと、下痢が続いていた。でも、今日は体調がもとどおりに回復した。これからは、食べ物に気をつけて生活しようと思う。
 孤独な看護生活である。義母や娘たちがみんな、私が自分のわがままで、麻衣子の尊厳を冒し、延命をはかって、麻衣子を苦しめていると言いたげなのである。ずっと、つきっきりで看護に当たっているのは誰だ。麻衣子の看護方針は私が決める。麻衣子が天国に旅立った後は、そんな家族と顔を合わせることもないだろう。顔など合わせたくもない。自分一人で生きていくのだ。

麻衣子の記録 連載第87回

10月14日(水)
9:35 麻衣子の病室へ。麻衣子はうなってはいない。左腋の方が体温は低い。
9:48 オムロン37.9度 
10:10 薬を飲ませる。
11:00 検温37.7度
12:18 オムロン37.7度。すやすや眠っている。
13:10 検温37.2度
13:13 オムロン38.4度
13:14 オムロン37.7度
14:13 テルモ37.27度
15:16 オムロン37.0度
17:20 オムロン37.1度
 ・・・・・・・・・・・
 今日の麻衣子は、久しぶりに熱が下がり、穏やかな表情に戻った。
 買い物リスト・・・匂いを取るつぶつぶ、油がはねるのを防止するアルミ、カーテン、漂白剤、果物入れ、延長コード、炊飯器と台、土鍋、写真用紙。
 
10月15日(木)
10:00 麻衣子の病室へ。
10:10 検温37.5度
12:45 検温37.3度
15:57 オムロン37.6度  
16:45 薬を飲ませたが、飲みにくそうだったのは、喉に白い物がたまっていたからだった。
 ・・・・・・・・・・・
 
 今日は、熱が高くないせいか、すやすやとよく寝ていた。
 買い物リスト・・・台所用漂白剤、ヘルスメーター、ハンガー、果物、酢の物、海藻、ドリンク。 

麻衣子の記録 連載第86回

10月12日(月) 体育の日
10:00 麻衣子の病室へ。氷枕の他に、タオルで額を冷やす。
11:52 検温38.2度、テルモ38.47度
12:40 テルモ38.30度
13:41 テルモ37.87度
13:50 歯ぎしりをしている。熱が、午後から下がってきて、穏やかな表情になって、うとうとするようになった。
14:04 テルモ38.07度
14:31 テルモ37.74度 
14:49 テルモ37.84度
15:18 テルモ37.38度
16:15 テルモ37.03度 
17:15 テルモ右腋37.16度、左腋37.52度、オムロン37.6度
 
10月13日(火)
9:45 麻衣子の病室へ。 
9:51 検温38度  
10:25 薬を飲ませる。口の中を綿棒できれいにする。
11:13 テルモ37.78度
11:38 テルモ37.78度
12:05 テルモ37.98度
12:35 テルモ37.65度
13:11 オムロン38.0度 
13:57 オムロン38.3度 
14:35 オムロン38.8度 
16:44 オムロン39.2度 
16:47 オムロン38.5度 
17:10 検温38.4度  
17:53 オムロン38.5度 
 ・・・・・・・・・・・
 午前中は、熱で苦しむこともなく、眠っていることが多かった。午後になると、38度の熱を出し、「うーん、うーん」とうなり声を出していた。
 夕方、大学病院のT先生が来た。T先生は、「発熱は脳の体温調節機能が冒されているためだろう」と言った。つまり、殺人プリオンは生命維持に必要な脳細胞まで冒し始めたということだ。
 毎週火曜日は義母が来る日でもあり、T先生が病室に寄ってくれる日でもあった。だから、火曜日は、義母はT先生に会ってから帰ることが多かった。義母は、次は17日(土)に来ると言って帰った。
 昨日、今日と私の体調は良くなかった。

麻衣子の記録 連載第85回

10月10日(土)
10:05 麻衣子の病室へ。熱があるので、氷枕をしている。額は熱いが鼻の頭は冷たい。額をタオルでも冷やす。
10:22 テルモ38.51度
12:47 テルモ39.36度。高熱がピークに達すると、「うーん、うーん」と言う声を出さなくなる。声を出す力すらなくなってしまうのか。
13:15 おむつ交換、体位変換
13:18 テルモ39.12度
13:34 テルモ38.87度
14:03 テルモ38.62度
14:52 テルモ38.20度
17:50 薬を飲ませる。
 ・・・・・・・・・
 買い物リスト・・・ふきんかけ、洗剤、キレイキレイ、お菓子入れ、箸入れ、マイクロファイバー布巾と雑巾。
 
10月11日(日)
10:00 麻衣子の病室へ。
10:06 テルモ39.50度
11:43 テルモ39.59度
14:46 テルモ38.21度
15:32 テルモ38.18度
 夕方、美帆が来た。

麻衣子の記録 写真編29

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 病院から外出し、みどりの駅近くのアパートの場所の確認に行った。そして、どれにするかを決めた。決めた理由は、外観がモダンだったからだ。それが、ちょっとした博物館の外観のように見えたからだ。

 私は、2LDKの一室(6畳)を、麻衣子記念室にしようと考えていた。麻衣子の写真パネルを飾り、看護日記を置き、大きなタブレットには麻衣子の写真をたくさん入れて、クロイツフェルト・ヤコブ病の資料も展示する。それを、麻衣子の友達が来たときに見てもらう。麻衣子は「この病気から生還したら、体験記を書きたい」と言っていたので、私は、そんなことを漠然と考えていたのだ。(2015年9月9日)

麻衣子の記録 連載第84回

10月8日(木)
9:50 麻衣子の病室へ。氷枕をして眠っている。薬を飲ませる。オムロン37.9度
10:45 オムロン38.2度
11:15 オムロン39.2度
11:30 オムロン39.3度
11:45 オムロン右腋39.3度、左腋40.0度
12:30 オムロン右腋39.7度
15:10 オムロン右腋38.5度 
15:40 オムロン38.3度
15:50 口元がピクピク。発作かな。
16:50 オムロン38.2度
17:20 薬を飲ませる。
17:50 オムロン37.9度
18:00 眠り始めた。
 ・・・・・・・・・
 麻衣子は相変わらず、高熱を出している。原因はよくわからない。
 朝早くアパートへ行って、テーブルを組み立て、カウンター椅子も組み立てた。部屋らしくなってきた。夜、私はアパートで寝た。
 
10月9日(金)
9:50 麻衣子の病室へ。病室に入ってみると、麻衣子は氷枕をしていない。でも、額は熱かった。今日からテルモの体温計も使うことにした。口の中で測ったりもした。
9:55 テルモ38.27度 
10:25 テルモ37.59度
12:26 テルモ39.47度
13:57 テルモ38.61度
14:21 テルモ38.41度
15:32 テルモ38.00度。麻衣子のうなる声がなくなり、落ち着いてきた。
16:22 テルモ37.00度
17:22 オムロン37.9度 
17:30 薬を飲ませる。
18:00 テルモ37.08度
  ・・・・・・・・・
 日中は高熱、夕方になると下がってくる。
 アパートの部屋は大分片付いた。冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機は独りで2階まで持ち上げることができるぐらい軽くて小さなものをネットで注文した。洗濯機はどうしても必要だ。コインランドリーというわけにいかない。おむつ交換の時に汚れた麻衣子のネグリジェは看護師さんが簡単に水洗いはしてくれる。でも、それを持ち帰って、私が洗濯しなければならないからだ。

麻衣子の記録 連載第83回

10月6日(火)
9:55 麻衣子の病室へ。熱は38.5度
10:30 義母が来る。検温。冷やし枕から氷枕に変わる。
 義母に麻衣子を頼んで、アパートへ戻った。正午から午後4時までの間に、ガス会社の担当者がガスの開栓をしてくれるので、それに立ち会うためであった。
 義母は午後3時過ぎに病室に寄ってくれた大学病院のT先生から、「肺炎ではない。熱は、2年も3年も続いたりしない」と言われたという。熱が何年も続かないというのは、その前に命が終わってしまうという意味だろう。
17:25 薬を飲ませる。
18:15 オムロン37.8度
18:35 オムロン37.5度
 
10月7日(水)
9:55 麻衣子の病室へ。薬を飲ませる。
10:00 検温37.6度
10:15 オムロン38.2度
11:15 オムロン38.2度
14:00 オムロン38.4度
14:20 オムロン38.5度
15:15 オムロン38.1度
16:05 オムロン38.1度
17:00 検温37.9度
17:15 薬を飲ませる。
17:25 発作。体が動いている。口も動いている。
18:05 オムロン37.4度。落ち着いている。
 ・・・・・・・・・・
 相変わらず、38度台の発熱が続いている。うなっているときも落ち着いているときもある。
 このような中で、私は、新しいアパートでの生活に必要なものを少しずつ揃えていった。小型冷蔵庫もアマゾンに注文した。
 買い物リスト・・・スポンジ、シャンプー、手洗い石けん、脱衣ワゴン、ゴミ箱、水切りかご。